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小児の歯科治療について2

1歳6か月程度の時期のお子さん はじめての歯医者

初診1歳6か月程度のお子さん。市町村で行っている1歳6か月検診で皆さんいらっしゃることが多いです。

 

この時の治療は、歯医者のユニット(椅子)にお母さんと一緒に座って、抱っこされたままでの歯ブラシの練習です。この工程を1か月に1回程度、トレーニングを行っていきます。そしてお母さんへの教育も同時にしていきます。この時に一番良いのは、お母さんが 治療をしている姿を見せることです。この姿を見せることで子供の歯科治療に対する恐怖心を払拭することになります。

 

大事なことは、歯ブラシの練習とやり方を学んでもらう事です。そして、間食の取り方や食事の指導などです。お口の中の環境を酸性(お菓子だらけの食生活)にしない事が大事なのです。それには基本的に和食が一番。日本人にはこれが一番合うのです。洋食もいいのですが割合を考えて作って下さい。

 

外食もありですが、外食には意外と砂糖が多く入っていることが多く、お口の中や身体の中の状態が酸性になりやすいのです。そうすると、虫歯だけでなく病気になりやすい体質になってくるのです。それが何年も何十年も続けば、自明の理ですよね。

 

少し話はそれましたが、この様に続けているとお子さんの精神的な成長と共に食生活の習慣がついてきます。また、お母さんが忙しいとお子さんに与える間食を与えることは大事なのですが、菓子類はよくありません。ジュースもダメです。これらの類は虫歯の元になる環境を常に作り出すことにつながるのです。それは、お口の中の環境が酸性環境になることを意味しています。これではいつでも虫歯になってしまいます。

3歳ころから6歳ころまでの歯科治療

3歳ころになると、子供は歯医者を遊び場として認識します。物は壊すし、探検するしです。しかし、それよりも大事なことは、子供が歯医者に対して興味を持ち、恐怖心が少なくなることなのです。そして、不幸にもむし歯が出来たら治療がすぐにできるようになるのです。そうすれば、歯が十二分に保つ土台が出来上がります。それが今の時代には特に必要な事です。

 

このころから、定期検査の間隔をあけていきます。必要な教育が済んでいるので、大きく悪くなる確率が少なくなります。ここから6歳ぐらいまでは(6歳臼歯が生えること、小学校の入学の頃まで)、3か月に1回くらいの定期検診にしていきます。この時期は、小学校の入学などにより、親御さんや子供の精神的な変化が起こり、歯ブラシがおろそかになってきます。入学から1から2か月は落ち着かない時期なのです。ですので、GW明けくらいに定期検診をしていきます。

 

この時期にイベントとして大事なことは、前歯の交換や6歳臼歯がはえてくることです。特に前歯は、転んで折る時期でもあります。それは、まだ体が出来上がっていないので、転びやすいのです。6歳臼歯の問題は、歯の完成度がまだ70%程度しかできていない事です。

小学校入学から8歳ころまでの歯科治療

この頃は虫歯になりやすい時期で、しかも永久歯に交換する時期でもあります。この頃から再度定期検診を1か月に1回にしていきます。そして8歳ころから小さな奥歯や犬歯が萌出する時期であり、虫歯を作りやすい時期でもあります。やはりまだまだ歯が完成していないのです。歯ブラシですが、子供が自分で磨けるようになるのは、小学校高学年くらいになると何とか磨けるようになってきます。

 

食生活の乱れや間食の乱れが、この時期に再び目立ってきます。自分の子からではなく、子供の友人たちからです。お子さんの友人にも将来の虫歯予防のために教えてあげてください。

 

お口の中の環境が、酸性でなければ、いい加減な歯ブラシでも虫歯は少なくなります。間食やジュースなどのある程度抑える事で、歯をむし歯にする確率は少なくなります。

 

そして、中学生、高校生と子供は成長していきます。この時期は、皆部活や習い事、受験で大忙しで、他の事が目に入りません。さらに、第2次成長も来ます。そのような時期に、普段の生活習慣が適切であれば、虫歯も最小限でで行けることが多いです。そして、ふと気付くと大学生になった頃に電話が掛かってきます。そして、痛いので治療をしてほしいと。でも、今までに書いたような事が出来ていれば、最小限の治療で済みます。これが星川あなん歯科医院での現実です。開業して20年たっていますが、この様な事がいくらでも起こっています。

少しでも病気を防ぎ、安心して過ごせる習慣を

しっかりとした定期的なメインテナンスや丁寧な歯ブラシは慣れないうちは難しく、煩わしいことと感じる方もいらっしゃると思います。しかし、今のこの時点で行わないと、将来の病気につながってしまう可能性があります。また、これからの医療費や税金がさらに高くなっていきます。その時に少しでも経済的・医療的負担を減らせることにつながればと思います。

 

長い時間が掛かりますが、そのことを認識さえしてしまえば、みな誰でもできるようになります。歯の事や予防を考えた矯正治療、もちろんそれ以外でも何でもご相談ください。私のわかる限りの事はお話します。