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歯の役割から噛み合わせの重要性を考える

矯正のそれぞれの歯や歯列の本来の目的を皆さんご存知ですか?

 

現代の矯正治療の目的は、審美だといわれています。確かに歯並びが悪ければ、それもひとつの目的であると思います。

 

しかしその昔、咬み合わせを作る事自体が、本来の目的であったのです。(これは矯正だけでなく、通常の治療や入れ歯でも同じです)

 

見た目的には、それなりの所に、矯正治療で対応できますし、大きくこだわる必要がないのです(患者さんはこれが目的なのですが)。 

 

それよりも、前歯の噛み合わせ、奥歯の咬みあわせを作る事が大事なのです。前歯は、本来の見栄えの前歯と噛み切ることです。噛み合わせに深く関連する糸切り歯とその後の小さい奥歯があります。見栄えの前歯は、奥の歯を守る事に役割があります。それは、前歯で物をかむときに奥歯は当たっていないのです。前歯を使うと、奥の歯が当たらないことで、奥歯に過重な力を掛からないようにしているのです。糸切り歯も同じです。(これが解剖学の基本です。)

 

さらには、糸切り歯とその後ろの小さい歯には、噛み合わせをうまくコントロールする役割があります。正常な状態であれば、それが出来るのです。ここで歯並びが悪ければ、他のところにいろいろな問題が起こります。(これらのことがいれば治療にも言えます)

 

奥歯の役割は、物を食べるときに前歯を使わないことで保護していることです。そして、奥歯は、咬み合わせの高さを維持(これが呼吸や脳への血液の流れに関するものです)する能力、物をかむ能力があるのです。

 

長年、歯を使うと、歯は減ってきます。それに代償される事は、アボリジニー(オーストラリアの祖先)などの研究で解っていますが、現代食(火の通った柔らかいものの食事やお菓子など)が入ったアボリジニーの人々は、皆虫歯や歯槽膿漏になっているのです。これは、現代社会に置き換えれば、近い将来、同じ事が起こるという可能性があります。しかし、人間は単純ではありません。これらのことに関して対応できます)

 

歯があることで、本来の人間が人間として生活する事が出来るのです。人間は自分がその状況にならないと、それらの事を自覚しません。そして、自覚したときには、病気(虫歯や歯周病)は進んでいるのです。

 

話はそれましたが、矯正治療で歯並びだけではなく、咬み合わせを治す事が大事なのです。前歯の役割、臼歯の役割もありますし、お口が健康な状態であれば、人生のQOLが高まります。そして、矯正治療において歯を抜く事は、世界でも論理的な結果が出ていないのが実情です。そして、それに変わる方法として、ディスキング(歯を少しずつ削っって矯正をする治療)があるので、80%以上のケースで非抜歯での治療が可能です。

 

上下の噛み合わせを作る手助けが、本来の矯正の役割だと星川あなん歯科医院は考えます。そして、お口のひとつの単位として作り上げる事(これはいれば治療にも関係します)が大事なのです。

 

そのために、前歯や奥歯があり、それぞれの機能があります。見栄えだけとかの問題で矯正をする事も大事ですが、本当の噛み合わせを作る事が矯正治療の目的ですし、歯を抜く事は出来るだけ避ける事が大事なのです。

 

人の身体は、3次元で出来ているのです。それを、昔のやり方のみで診断していくのはいかがなものでしょうか?

 

時代は変わっています。パラダイムシフトは起こっているのです。重鎮と言われる方々もそろそろ変えていかないと思います。昔のやり方の良いところは残し、変化している事は素直に受け取る事が、大事な時代に変化してきています。

  

次の世代に、歯の大切さを伝え、100歳になっても自分の歯でかめる事が大事なのです。それにより人生のQOLが保てるのです。それには。子供の時代からしていかないといけないと私は考えます。