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歯の種類と役割(咬みあわせと首の周囲の筋肉)

今日は歯の役割とそれに合わせた周りの筋肉についてお伝えします。

  

歯は、全部で28本が基本であります。それに親知らず。今では、生えないヒトもいますが。

上下あわせて28本で、上の歯が14本下の歯も14本です。(昔の人は親知らずの生えるスペースがありました。現代人では退化していきいらない派となったのです。)

 

歯は、前歯、小さい奥歯、大きい奥歯に分かれていて、それぞれの役割を担っています。

前歯は、最も見栄えに影響しますが、物を食いちぎる役割があります。

大きい奥歯は、物をすりつぶす役割があります。特に日本人の食生活には大切な役割です。小さい奥歯は、前歯と大きい奥歯の中間の役割があります。

 

歯ひとつひとつは、このような役目を持っていますが、歯はレンガの橋のようにしっかりと並んで、咀嚼機(物を噛む)という役割も持っています。これは、お口で、物を砕き、細かくすることで飲み込みやすくし、次に続く胃への負担を減らしたり、咬むことにより唾液が分泌するのでさらに、物を飲み込みやすくします。また、歯並びということで、脳に骨を介して刺激を伝えることにより、脳の病気(特にアルツハイマー病などの予防になるといわれています)

 

また、この前歯と奥歯は相互に補完しあっています。

前歯で咬むときには、奥歯は休んでいて、奥歯で咬むときは、前歯が休んでいます。このような関係が成り立てれば、本来のお口の働きをしてくれますが、歯並びが悪くなっていればこの関係は構築できません。(奥歯だけで物を噛むと奥歯だけに負担がかかります)

 

さらに、歯で食事をしっかりと咬んで食べるということによって、お口の周りの筋肉が発達し、適正な歯並びや顎が完成するようになっているのです。

 

最近、食べ物が柔らかくなりすぎて、咬む食事ができていません。そうすると、口の周りの筋肉が正常に発達せず、場合によっては歯並びが悪くなってしまいます。今、この時代に矯正をする人が増えたのは、このような社会環境の変化も一つの要因だったりします。

 

 矯正治療も本来は病気なのです。いうなれば、口腔環境形成不全といいましょうか、最近の欧米化の影響で、本来人間が持っている咬める環境がなくなり、その周囲の筋肉が発達しなくなったのです。言うなれば、文明病なのです。食事や物の質がよくなり、人間本来の身体の機能が損なわれているのです。その様な時に1期治療の価値が出てくるのです。

 

かみ合わせ(咀嚼器)を作るのも、お口の役割です。これは顎の病気、顎関節症も、歯並びが悪くなると、必然的に起こってきます。下顎は筋肉で上顎につられているだけの状態なので、歯並びが悪くなり、当然のように顎がずれます。そして、もっと悪くなると顎関節症の症状を呈してきます。また、頸周りの筋肉も影響を及ぼし、肩こりや頭痛も起こってくる可能性が大きいのです。さらには、背中の筋肉も弱くなっていれば、背中も曲がります。そのように酷くなれば全身へ移っていきます。

 

逆もあります。腰が悪くてということもあります。どちらが先(鶏が先か卵が先か)にということはわかりませんが・・・

40年前は、まだまだこのような状況ではありませんでした。寿命も短く、身体が丈夫なヒトが多かったのです。しかし、今では、寿命が長くなっていいのですが、身体の状態がついていってないように思われます。

 

特に、今の高齢者には、歯がない方が多いのです。老人ホームに診療に行くと、歯がない人が多く、入れ歯もあっていない方が多い現状があります。そして、そういう方は、体の衰えが激しかったのを記憶しています。

 逆に、歯がある人は、すごく元気でした。このような事実からも、エビデンスは薄いのですが、歯も関節のひとつといえると思います。

体の中で、関節がひとつ無くなっても歩けるのは、歯だけです。しかし、膝の関節が痛くなったらどうでしょう?

そして、歯がないということは、食事が取れないことを意味し、動物であれば、死ぬのです。その大切な歯を、無駄にしていいのでしょうか?

  

歯及びお口は強い組織です。しかし、いったん悪くなると、手に負えなくなることが多々あります。

そのようなときに、しっかりと手当て(代替処理)をしないと歯がなくなります。そして、お口と言う関節が無くなり、食べることはおろかボケも始まります。咬むという刺激は、アルツハイマーの予防にもなるのです。

 

皆さんも本当の意味で、歯を大事にしませんか?

星川あなん歯科医院では、そのような方を応援しています。いつでもご相談ください。

お待ちしています。

 

(2018年2月13日 投稿記事を更新しました)