今、このインシグニアという類の透明なマウスピース矯正治療の方法が大々的に広告宣伝されています。そして、その他の類似品も多数、様々出てきています。この流れは昔で言う一時的に流行した床矯正の宣伝の流れと同じなのです。
このインシグニアという治療法は今のところ海外での評価が高いのですが、日本ではまだまだです。この方法は、本来、悪くない方法ですが、しかし自分でしっかりと調べて、マウスピースをコントロールすることができない多くの日本人は、いいカモになります。自分で調べることもなく日本人の頭の中は、いまだに親方日の丸なのです。今回のコロナに関しても同じ様なことが言えます。(床矯正と同じです。)
そしてインシグニアという方法は、口腔内用オーラルスキャンの活用により、口腔内の3Dイメージを作り上げ、コンピュターで治療方針などを決めていきます、(まだまだ今のところは、人間(よい技術者)の関与が必要ですが)またこのようなオーラルスキャンの装置では補綴などにも応用されいます。
そして術者(歯医者)の問題もあります。このインシグニアという方法は、基本的にはコンピューターで設計するようです。そしてそれを管理する術者は矯正治療をしたことがない人たちです。ここで、本格的に術者が矯正の勉強をしてくれればいいのですが・・・
日本人ドクターに尾島先生というインシグニアの先駆者がいます。この方は、ドイツのDr.シュープと云う方に師事し、インビザラインを学んできました。そして、インシグニア社のトップディレクターになっています。しかし、この先生は咬合のことは何も解ってないようです。勉強したはずなのに。
生きて恥をかけ、どんな屈辱に紛れても生き抜け。人間は弱い。間違えるでも空は人間の特権。ともに生き抜くために、人間の船。
このインシグニアという矯正の特徴は、素人ができるということです。しかし、何かあったら対応できる人は少ないと思います。そして、この方法にまだまだ厳密な適応がないのも問題です。
矯正治療のいままでの矯正の歴史は、流行や見えないことに重点が置かれていたように思います。
この方法は見栄え(外面)が良く、他人には見えにくい方法です。そして、まだまだ教育方法の確立もできていません。海外の先生には十分対応できているようですが。
この方法の第一人者として有名な 尾島先生の臨床ケースを見ても、とんでもないケースが出ているようです。
そして、この治療方法は、これまでの矯正治療とは全く異なる方法(動かし方、PCの操作、など)です。そこをどう解釈して、使っていくかが難しいところだと私は考えます。ですから、ただ単純に流行りだからとか簡易的には選ばないでほしいです。
新しいものはまだまだトライアンドエラーの要素が多いので、今のドクターには難しいのです。あと30年後には、通常の治療方法になっているでしょうが今はまだ早いと思います。新技術というのは、すぐに進むのでなく、時間をかけてゆっくりと育まれ進むのです。
かみ合わせ治療も同じです。なんでもすぐに治療をすれば治せと言われる方が多いのですが、人間の身体は機械ではありません。悪くなる時も治るときも徐々に治ります。特にかみ合わせ治療もそうです。
そして、今まで何もなかったことでも、徐々に悪化していることがあり、何かの拍子に症状が出るのです。
それらは今までに患者自身が気づかないうちに放っておいたためでもあります。ですから、星川あなん歯科医院では従来の矯正治療を選択しています。まだまだ新しいマウスピース矯正ですので、裏付けや研究がまだできていません。と私は思っています。