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高い歯、低い歯と顎関節症

皆さんは銀歯、白い歯を入れるとき、どのような銀歯、白い歯を入れていますか?

 

高い銀歯、白い歯を入れてませんか(かみ合わせが高いという意味です)?あるいは、低い銀歯、白い歯を入れていませんか(かみ合わせが低いという意味です)?そして、決まってすぐに慣れますよと言われていませんか? その事の意味が解りますか?

 

慣れることは大事な事なのですが、最初からそのような状態(高い状態、低い状態)では、顎が整然とズレて適応します。これが俗にいう慣れるという事です。しかし、この問題が一つ二つであれば、たいした問題ではないのですが、幾つもの歯をこのような調子で治すと、だんだんとかみ合わせが悪くなってきて、口腔周囲の筋肉や身体の筋肉に過緊張が起こり、咬みにくい状態や口が開けられないなど、顎関節症などの問題や不定愁訴などの症状が出てきます。不定愁訴という症状(肩の張りや頭痛、耳鳴り、難聴、など)なども出てくることが多々あります。

 

ですから、そのような状態にならないように、星川 あなん歯科医院では、お口全体で型を取り、かみ合わせを採得し精密に作っているのです。これだけの作業を行うのは、かなりの技術力/経費が掛かります。 歯科医師もそうですが、テクニシャン(技工士)もです。そして、高くも低くもない銀歯、白い歯ができるのです。 先日も患者さんに言われました。『先生のところでの銀歯、白い歯は可もなく不可もなくすごいのですね』と。今までは、高いけど慣れるよとか低いけど慣れるよと言われていたそうです。このような未熟な技術力しかない現実のドクターもいます。 現実には、慣れないといけないところはありますが、これでは、ダメなのです。また、現実問題として経費の問題もあります。今の保険治療の費用では、十分な費用が出ず、いい技工士が育ちません。ですから、技工士学校卒業1年で、現実的には90%の技工士が辞めているのが現状です。そして、もっと給与のいい宝飾関係に行くのです。

 

そして、この様な咬み合わせが高いや低い状態が長く続くと顎関節症の症状が徐々に進みながら、痛みや不定愁訴となって発現してくるのです。それにはすぐに症状が出る人もいれば、10年後20年後に症状が出る人もいます。ですからそれぞれの因果関係がわからなくなるのです。これでは医療をしているのか壊しているのかわかりません。そして、安かろう悪かろうという市場判断を医療の世界に持ってきてもいけないのです。

 

そのような価値観では、良い医療をする事はできません。

 

医療、特に歯科の場合は、しっかりと治療をしていくことができます。ここに費用をかけてドクターとテクニシャンを育ててよい歯科医療を受けてください。そして、物事を単純に高い安いで判断しないでください。ここまでのドクターやテクニシャンが育つまでにはそれなりの時間と費用が掛かっているのです。良いものは高いのです。自分の人生を高めてくれるものを大事に考えてください。そして、人生100年の時代です。一生、自分の歯で過ごしましょう。