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上下歯並び(顎関節)と矯正治療の関係

星川あなん歯科医院では、矯正治療の前に咬み合わせの検査と治療をしています。何故かというと、他院で矯正治療が終わった方を拝見すると、必ずと言っていいほど顎の問題が起こっています。患者さん本人は気づいていないのですが、

 

大多数の方が同じような状態を星川あなん歯科医院では、確認しています。

 

この様な事は開業(1996年3月開業)してからずっと疑問でした。矯正の勉強をして、咬み合わせの勉強を深めていくことにより色々な事が解ってきました。

 

 

以前の矯正治療(1960~1980年代に学んだ人たち)では、咬み合わせに関しては全く考えていませんでした。また、昔から前から4番目の歯を抜くことの意義も曖昧でした。(実際に矯正の師匠にも何度となく聞いたのですが解りませんでした。)実際にいろいろと調べたのですが、世界の矯正が2分していたのです。それはヨーロッパとアメリカの論争でした。ヨーロッパは抜歯をしない方針で、アメリカは抜歯をする方針でした。

 

この論争はまだ解決はしていません。さらに、検査に関する規定も曖昧で横顔のレントゲン写真、模型などだけで分析を行っていました。咬み合わせの器械にも付けていません。この様な状態では、規格がないのです。それは、科学ではなく匠の領域です。しかし、歯科学は科学なのです。科学とはある程度の修練をすることで、誰でもできることなのです。先人たちは優秀でしたが今は時代が違います。

 

 

ここで問題としているのは、顎関節症を伴う方の矯正治療と安易な4番目の歯の抜歯です。先にも書いたようになぜ抜歯をするのかはいつも疑問でした。そして、不正咬合の成り立ちがヨーロッパのDrスラバチェックの研究で明らかになりました。この研究から不正咬合の成り立ちが解ってきて、この逆のことを治療で行えばいいということが解ってきました。そしてそのようなことができるようになってきたのは、矯正会に新しい技術や器材ができてきたからなのです。また、前から4番目の歯の利点もわかってきました。この歯はかみ合わせのキーワードになる歯なので抜いてはいけないのです。

 

 

歯並びが悪くなる大元の原因は、歯の放出スペースがなくなり、主に大きな奥歯の過剰な萌出力が原因となっていたのです。だから、8歳から10歳ぐらいまでは良い歯並びだったのが突然悪くなったように見えるのです。星川あなん歯科医院では、これらの研究結果を踏まえて基本的にはDrスラバチェックの治療法を行っています。

 

 

では、悪くなった不正咬合の治療をどうするのか?それは、各々の患者さんの分析を行い、タイプ別に分けて治療にあたることになります。そして、患者さんごとに細かいところの方法を考えて治療をします。

 

まとめると、顎の状態を改善して、その次に虫歯治療や歯周病治療を行い、西郷に矯正治療という順になります。すべてがこのようにいくとは限りませんが基本的な治療時のシークェンスです。

 

かみ合わせと矯正治療は2つで一つの治療になることが多いのです。