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顎顔面骨格より見た分類と成り立ち その2

前回に続き、顎顔面骨格(顔の種類)より見た分類と成り立ちについてご紹介します。

 

 

今回は、High AngleⅡのタイプを解説します。

 

このタイプは、一般的に言うと出っ歯の方です。

 

上顎骨は、垂直的な成長よりもむしろ前上方に回転するように成長するので、咬み合わせの面が前上がりになり後方大臼歯部の骨の成長が不足して、ポステリアーディスクレパンシー(歯の生えるスペースがないこと)となります。そして、High AngleⅢとは異なり、上顎骨の歯列全体を近心傾斜させるように力が働くので、上顎歯列はV字となっていきます。また、上顎大臼歯部の高さは増加せず、咬み合わせの面は急傾斜となる。下顎骨は、大臼歯部にゆとりがないため、萌出スペースがなく、近心傾斜(前にずれるようになること)して前歯部に叢生を招き、咬み合わせの高さは不足します。そのために、下顎骨は、上顎前方に適応できず後方回転を起こし、骨格性Ⅱ級が形成されます。顎機能的には、大臼歯の急な咬み合わせの面ができるために咬合干渉を招き、咬み合わせの高さの不足による咬合支持の喪失を招きます。

 

 

次にLow Angle Ⅱのタイプの解説をします。

 

このタイプは、一般的に言うと出っ歯でありながら、角ばった顔の人

 

上顎骨の成長が水平的になり、垂直成長量が不足するために、上顎大臼歯部の萌出力が低下して、咬み合わせの高さも不足します。また、上顎大臼歯部の咬み合わせも急傾斜し、上顎歯列弓も空隙歯列弓を呈することが多いです。下顎頭の垂直的成長量も大きいために、下顎の形はフラットに見えます。そして、咬み合わせの高さが増加しないので、下顎の成長量との関係において不調和をきたす。下顎は、前方位に適応できず、後方域で前方回転するために下顎の咬む面が逆になります。

 

顎機能的には、咬合支持の喪失を招き、下顎が過剰に前方回転して、オーバーバイトの深い下顎が後退した骨格性Ⅱの不正咬合が形成されます。

 

 

前回と今回とで、不正咬合を大きく4種類に分類することをご紹介しました。

内容としては、難しく感じる内容ですが、今回ご紹介したことを理解して頂く必要はなく、しっかりと検査、診断を行っているということをご理解頂ければ嬉しく思います。