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奥歯を削られ過ぎたケース


患者A-1

 

初診の患者さんでこのような方がいらっしゃいました。

 

主訴;『奥歯の表面が削りすぎか、咬むと痛い』ということで星川あなん歯科医院のホームページを見ていらっしゃった患者さんです。

 

また、体調が悪く抗精神病薬を服用していました。細かく問診をしていくと、前医での治療はかみ合わせをどんどん削って奥歯を咬めるようにする治療を受けていたとのことでした。そして、ほかの項目には、頭痛がして耳が痛いということで、もう少し詳しく聞くと、目の奥が痛い、奥歯の表面が痛いとのことでした。また、精神的には不眠があり、社会生活上のストレスが多く、大変とのこと。

 

そして、食べ物をかむときに痛みがあるということでした。さらには、日中、歯を食いしばりがあるようで、左側が噛むと痛いとのことでした。

 

左目や左右の耳にも痛みがあり、音が聞こえにくいとの症状もあるとのこと。

 

そして、頭痛は、前頭部の方があり、左の顎が特に悪い様でした。そのために抗精神病の薬を飲んでいるということでした。

 

【我々の検査】

 

細かく検査を行うと、パノラマレントゲン(閉口位)から、今ある歯の大部分が咬んでいないことがわかりました。筋触診からは、お口や周りの筋肉がかなり痛みが出ているのがわかりました。

 

開閉口時、あごが左にずれての開閉の状態が見られます。また、模型分析により。本来の顎の位置と咬んでいる位置にかなりの違いがみられました。

 

 

これらを総合的に判断して、かみ合わせからくる病気の可能性が高いと思われるというお話をし、一度、マウスピースを入れてもらい効果を実感してもらうようにしてから治療に入ることになりました。

 

 

患者 A-1②その後

 

あれから少し時間がたっていますが、身体の状態はだいぶよくなって来ています。まず、身体の筋肉の状態が改善され、痛みの出るところが改善あるいは少なくなってきています。また、顔の形も変わってきていい感じです。この方は、そもそもが歯を削って調整されていた方ですのでかみ合わせを再構築することで改善される事が多いのだと思われます。

 

患者さんも最初のうちはあまり信じていただけませんでしたが、だんだんと信頼されるようになり、今では真面目にトレーニングにも取り組んでいるようです。もう少し全体的に状況が改善したら、本格的にかみ合わせを作っていきたいと思います。またご報告します。