「痛みが取れないから抜く」のではなく、原因解明
B-1さんのケース
紹介の方です。
私の患者さんの紹介で、来た方です。右下の奥が痛むとのことでいらっしゃいました。よくよく話を聞くと、#47が固いものを咬むと痛みを感じ、冷たいものが凍みているが、熱いものは問題なし。
まず、パノラマ写真を撮り、全体的に見てみました。 その前に、2か月程度前に知り合いの先生に診てもらったとのことでした。 その前医は、この痛みがなくならないようであれば、歯を抜いたほうがいいといわれたそうです。しかし、パノラマ写真を見てみると、まったくこの方が言っている症状に合致することが、確認できませんでした。
で、何か変だなと考え、噛み合わせの問診票に再度記入をしてもらいました。
そうすると、右下の歯が、周期的に噛むと痛くなるとのことや頭痛や肩こりがあるとのこと。食いしばりもあるとのことでした。
この時の私の結論は、抜くのは第一選択ではないとお話をしました。前医は痛みがあるのであれば抜くことがいいと言われていたようでしたが、私は、逆に抜くことを証明するような症状がないことなどを考慮して、原因がはっきりとしないのでまずは、その検査が必要とお話ししました。抜くことはいつでもできるので、まずは検査という話をさせてもらいました。
数日後、お電話をいただいて検査の時間の予約を取りました。
精密検査から分かること
多くの歯科治療は、原因解明、原因解決ではなく、対処療法になってしまっています。
痛みが生じている歯だけにフォーカスし、抜いてしまえば確かにその歯で生じていた痛みは消えるでしょう。
しかし、それでは根本解決にならないだけでなく、噛み合わせのずれから生じる頭痛などの様々な症状へとつながるリスクがあります。
噛み合わせがズレると、その周りの筋肉バランスが必ずおかしくなります。それは神経伝達のバランスまでもおかしくしてしまうことにつながります。
痛みが生じている歯だけでなく、全体をしっかりと検査することで、健康な歯を抜かなくて済むだけでなく、他のトラブルを未然に防ぐことにもつながります。
今回のケースはまたご報告いたします。