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乳がんについて

先日、乳がんについての講義を受ける機会がありましたので、ここでご報告いたします。

 

土井先生(横浜市大)という方の講義を受けてきました。

 

それによりますと、以下のようにまとめられていました。

 

今の日本では、年間9.4万人が罹患しています。2020年には年間10万人になると予想されえているそうです。日本女性は生涯では11人に一人が乳がんにかかるそうです。(欧米人は8人に一人)、乳がんは日本女性が最もかかりやすい悪性疾患であるが、死亡率は4位。

《何故、乳がんは増加したのか?》

食生活の変化・生活様式の変化。これらが成長の早期化、閉経後の肥満化、少ない出産、授乳、月経のある期間の長期化、閉経後の長寿などがあるそうです。

 

初潮も今の時代は、小学校5年生くらいから始まることも多く、その際に女性ホルモンにさらされる機会が長期化してきました。

《 乳がんのリスクとして》

早い初潮、遅い閉経、遅い初産、少ない出産、少ない授乳、長期にわたる不規則な生活、過量のアルコール、遺伝などです。

 

乳がんのリスクを減らす工夫は、お酒は2合まで、体を動かし運動をする(2~30%リスクが減る)、不規則な生活は避ける(イソフラボンが多いと乳がんが少ない)、閉経後は肥満にならないように、食生活に気を配りましょう。ホルモン補充療法はよく相談してほしい。

そして何よりも早期発見、そのためにはマンモグラフィー(50歳以上で23%以下の発見なので、エコーと併用する)などの検診を受けることが大事です。 メラトニンは、睡眠を誘発させるブシツで、朝起きて光を浴びると分泌が少なくなる。これが、24時間労働や夜勤などで寝ることができなくなると、乳がんの誘発が起こる。

《乳房の発現部位割合》

外側上方 45~50%、内側上方25%、乳頭真下10~12%、外側下方10%、内側下方5%

《乳房の構成の変化》

高齢 脂肪性乳腺数%、若年 極めて高濃度乳腺80~90%


《乳房痛》

乳腺外来の主訴22%を占める。乳がんの可能性は0.8%と非常に低い。月経前の数日間、閉経前後、更年期に乳房痛が強くなる。エストロゲンとプロゲステロンの変動が原因か。痛みの質が異なる。生理的疼痛は鎮痛剤が効か

《自己触診の意義》

一度もマンモグラフィー検診を受けたことのない女性の中には、触れる腫瘤の人も多い。マンモグラフィーでは映らないが触れる乳がんも存在するが、視触診検診がない。自分の胸を理解して常に気を付けていると、中間期乳がんも小さく発見できる。『自己触診で異常がないから検診に行かないではなく、自己触診で異常がないから検診に行く』を強調。自分の体に常に気を配ることは大切。

《まとめ》

乳がんは増加傾向が著しく、皆が不安を持っている。検診による早期発見で命の安全が保障される。乳がんになっても、サブタイプにあった薬物療法で死亡率は減少できる。

 

しかし、延命はできるが、経済的な費用がかなり掛かる。