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過剰歯、欠損歯に関して

本来、歯というのは、上下28本(親知らずを除く)あって本来の機能を担っていますが、先天的、あるいは後天的に歯が少ない=欠損歯、あるいは先天的に歯が多い=過剰歯というものがあります。

 

この欠損歯、過剰歯のケースにおいて、矯正治療をするべきか、しないべきかという疑問はしばしば出てきます。

 

横浜あなん矯正歯科では、最終的に歯の大きさなどの分析をしてみないとわかりませんが、基本的には矯正治療をするべきだと考えています。

 

 

では、まず過剰歯があるときを考えて見ましょう。

 

過剰歯というのは、本来28の本あるはずの歯が、遺伝など何らかの理由で余計な歯が増えている状態のことです。この場合は、抜くことが多いくなります。というのも過剰歯を残すと28本の歯のトータルバランスを崩す可能性が高いからです。基本が28本でできていますので、特に患者さんに、何らかの希望がなければ抜いた方が噛み合わせのバランスがよくなります。

 

 

次に、欠損歯、矮小歯を考えて見ます。いろいろなタイプがあるのですが、以下の2つを考えて見ます。

 

①欠損歯=虫歯や歯周病で、歯がなくなってしまった状態

 

歯がなくなっている状態であれば、可能な限り歯を作っていくことが大事です。なくなった歯の本数が多ければ、作るのは大変ですが、矯正用のインプラントなどもありますので、基本的にはできます。(その後の歯の治療をどうするかも考慮に入れなくてはいけません)

 

基本は、28本ですので、それが基準として考えた結果です。そして、かみ合わせや虫歯の治療を行うことで、長く持たせるか見合わせや歯並びができます。

 

②矮小歯=本来の歯の大きさが小さい場合

 

次に、矮小歯があるときには、本来のサイズに戻して、咬みあわせを作っていきます。そうすると、適切な咬みあわせを作ることができるために長く持つ歯並びができます。後は、小さい歯を大きくしたら、その後のことも考慮に入れてかぶせ物を考えます。

 

 

矯正をする目的は、歯並びが一番に思われますが、実際には、歯ブラシをしやすくして、将来の虫歯や歯周病を抑制することも大きな目的になります。

 

ただし、かぶせ物は永久に持つものではありませんので、定期的には替える事が大事です。また、定期的なチェックも必要です。皆さんは、ただ治して終わりという事が多いと思いますが、それでは、虫歯や歯周病が再発して、とんでもないことになります。私のところでは、そのような治療をされた方は、定期的にチェックを受けていただいたいます。そうすることで、もし何か異常があれば、発見しやすいですし、管理が行き届き、安心して人生を過ごしていただけます。

 

 

今回お伝えしたいポイントは、噛み合わせを正常にするという点です。

 

被せものなどで本来28本の正常な噛み合わせを作ることから歯列全体を考え矯正治療を行うかということを考えていくということです。なぜこの考え方が必要かというと、歯並びを綺麗にして終わりということではないからです。単に綺麗に見せるということだけだと、その後の後戻りリスクだけでなく、補綴物の破損、あるいは、噛み合わせ以上による無理な力がかかり続けることで、歯槽骨など歯を支える骨を破壊することにもつながってしまいます。多くの顎関節症の原因にもなる噛み合わせの高さが低くなるということにもつながってしまいます。

 

短期的に見た目重視で歯を綺麗に並べる治療ではなく、長く歯の健康と向き合っていく治療を横浜あなん歯科医院では提供し続けていきたいと考えています。