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保険診療と自費診療

保険診療は、昭和39年ごろに制定された法律で決められた内容で、『最低限の医療を保証する』という ことで作られました。この当時、日本は貧困の時代で、大きな意味での医療を目指していました。

 

保険診療は、ある意味、無医療の状態を改善するために作られたものです。

この法律ができた時代は、まだまだ貧困の時代でしたが、高度経済成長と絡まり、イケイケの時代でもありました。 

 

歯科においては、いかに短時間で患者の治療を行うかということが大事になり、しっかりと良い医療という時代ではありませんでした。良い治療を行うことが、無意味にもなってきた時代です。それ以前の治療は、しっかりと熟練の技術者が時間をかけて行っていたのですが・・・

 また、歯科特有の問題として、一人ひとりに時間がかかる治療に対して、診療報酬が十分ではないのです。ですから、何を主目的にして治療をするかが大事になります。

 

この主目的とは、現在でも数をこなすことが第一で、良い医療とはかけ離れていました。そして欧米的な医療が蔓延り、皆がそれを求める時代でもありました。そし上、食事の欧米化から虫歯や歯周病の時代になってきました。その後、日本人の虫歯や歯周病が増えてきました。何十年も虫歯治療に明け暮れた時代です。当時の保険治療だったのです

 

自費治療では、経済的負担はありますが、しっかりとした治療ができます。そして、トータルにお口や歯並びを考え、咬みあわせを考え、全体の中のお口という事で治療が行えるのです。必然的に、根を治す土台治療やかぶせ物などをしっかりと行うことができます。そのようにできれば、症状の再発が少なくなり、医療費の削減にもなります。これは長い眼で見て行うことなので、国が30年の計を持って行うのが一番です。逆にそれ以外に手はないのです。昔スウェーデンで、経済がかなり悪くなり、そのときの厚生大臣が、教育にお金をかけるように決定され、30年後の今では、IT関連の技術者や多くの人材が出て、豊かな国になっています。

  

やはり、目先のお金を考えるのでなく、将来(20年後、30年後)を考えていく時代になってきたのではないかと思います。

 

そして、保険診療ですが、最低限の軽い虫歯の治療であれば、最高の治療です。

 

ただ、銀歯に使われているパラジウム合金という材料はいダメです。この材料は、主にロシアあたりから輸入しているのですが、現在では、自動車の排ガスの触媒として主に使われているのです。この材料は、先進諸外国では、まったく使われていません。それは人体にとって有害であるということが証明されてきたからです。保険の法律が制定されるころにも、この論議は出たのですが、その時の日本の状況は、それ以上の材料を使えなかい時代だったのです。ですので、とりあえずこの材料を使い、将来、経済力がついたときに、金合金などに変更していこうということでした。しかし、今ではそのような歴史的な事が忘れ去られ、いつまでもパラジウムを使っているのです。そして、ドイツでは、この材料を使うことはほとんど禁止されています。

ドイツでは、ヒトにとって有害とのデータが出ています。そして、お口の中の環境では腐食が起こります。星川あなん歯科医院の患者さんでもそのような方が多いです。3年に1回くらいは交換しないと思っていますが、なかなかできない状況です。

 

また、保険診療では、一口腔という全体的な治療ができません。特に咬みあわせを含めた治療ができないのです。今の日本人は、思いっきり壊れている患者さんが多くいます。しかし保険診療では、このような方に対応ができないのです。

 

私たちは、歯科医師でもありますが医療者なのです。医科と歯科が分かれていることも問題です。ヨーロッパなどの国では、医科と歯科が協力して、患者の治療に当たっています。2年前にドイツに勉強に行く機会があり、そのときに日本と外国の違いをまざまざと見せつけられました。

ドイツでは、医科、歯科、カイロプロテクターなどの人が、協力して一人の患者さんの治療に当たっているのです。

 

自費治療は、経済的な負担はありますが、その患者さんにとってよい治療を提供できます。そして、そのような治療を行うのは、トータルな歯科治療(矯正治療や口腔外科)が必要なのです

少なくともインプラントがとか白い歯がとかが自費治療ではないのです。

 トータルな治療ができることが本来の意味するところの自費治療なのです

 

それが、星川あなん歯科医院の治療方針なのです。

  

今現在のことは大事なのですが、将来を見据えて、ドクターを選んでください。そして、旅行や自分の楽しみにだけ投資をするのではなく、まず、あなたが健康で長生きできるあなた自身に投資をして下さい。そうすることで、これからいろいろな楽しみを満喫できます。

 

(2018年5月8日 投稿記事を更新しました)