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当院がかみ合わせにこだわる理由

 当院がかみ合わせにこだわる理由、これがすべての歯および歯並びの治療の基本だからです。

ある部分をとって歯や歯並びを仕上げることは基本的にはできません。しかし、保険医療(本当の意味ではないのですが)では行われていますが・・・早い・安い・巧いをうたっているのが保険医療なのです。

(しかし、実際には経費が掛かっているのです。

それを・・・

 

クラウン(何らかの原因(大体が根の治療をしたことが原因で)で全体的に歯をかぶせる必要があるときに)のような大きな歯を作るときには、とても必要で大事なことです。このことは、製作工程でも書きましたが、片側の模型だけでは、左右側方運動や前方運動などが再現されないのです。

そして、咬合器(かみ合わせを口腔内の外で再現する器械です)も大きなものを使わないと、いけないのです。それは、顆頭間距離(左右の顎の平均的な値です)が110ミリと定められています。ここでは詳しい記述は避けますが、いろいろな研究で結論が出ています。片側の咬合器もありますが、これらでは顎運動(顎の動きを)ある程度のを再現できません。

 

 昔のやり方では、このような方法はなかったのですが、今現代の方法は間接法という方法で作られているので、必要な技術なのです。いまではCADシステムが出てきていますが、まだまだ実用性には昔の技術と比べ物になりません。そして、適合性は甘くなるのです。(保険診療の場合、実際にそのように作ってみましたが、適合はよくはありませんでした。)それをレジンという接着剤を介することで、解決しようとしています。

 確かに世界最高峰のCADシステムを使えば、できるのでしょうが、全国民(日本国民1億人以上)にいきわたるには、10年以上かかるでしょう。

 そして、かみ合わせを作っていくには、矯正という手段を使わないといけないのが事実です。このために当院では、かみ合わせと矯正治療を行っているのです。

 そして、悪くなった、かみ合わせ治療が一番難しいのです。ですので、治療期間も費用も掛かり、今のかみ合わせで問題が少ないのであれば、それでいいのですが、いかんせん咬み合わせの問題を起こす人は、問題を起こしますし、そのような方を治療するにはそれだけの期間と費用が掛かるのです。また、長年様々なことを経験している方も多いので、栄養学的に様々な問題を抱えている方も多いのです。そうすると、人間そのものを対象にしないといけないのです。歯科医師として全てができるわけではありませんが、できるだけ患者さんに有益となることをしていくことが大事だと考えています。

 

 そして、まだまだ日本では欧米型の医療は適さないことが多々あります。

まず人種が違うのです。同じ人間だといいますが、日本人と全く同じではないのです。それにもかかわらず、アメリカ人の医療をの鵜呑みの技術を持ってきてもだめだとおもいますし、すべての食生活も異なるのです。日本人には日本人にあう技術があるのです。そして、歴史があります。

 その最たるものの一つが矯正治療での4番抜歯です。大事な歯を本当に抜いて良いのでしょうか?抜くことにより、かみ合わせが下がってきます。当時はそう言われていませんでしたが、現在ではそれが現実になってきていますし、それらに関する論文を散見してきています 。(美容目的であればそのようなリスクもありですが)

 そして、インビザラインの手法にもそれらの方法が使われてきています。そのようなことすらわからない矯正の素人にインビザラインの設計ができるのでしょうか?

私はできないと思います。そして、上手くいかないと思います。人間の歯の本数をどう考えているのかという視点がないように思います。

実際にインビザラインの設計をしていて思ったことです。今の現状をよしとして、そこからアメリカ式の矯正が主流でした。ヨーロッパのオーストラリアンナソロジーなどの考え方が含まれていませんし噛み合わせに関することも含まれていません。

 そして、流行りだからと言って(儲かるという理由で)、また、アメリカ的な矯正をしていいのでしょうか?今の日本はこの流行に乗って、さもアメリカ的の矯正だけを広げようとするのはいかがなものでしょうか?

 かといって、インビザラインをすべて否定するものではありません。使う人間の考え方次第です。抜歯治療をしてはだめです。その中でしっかりと作ることができればいいのです。

 そして、現在の上顎前突というケースを下顎の後方偏移ととらえれば、すべてが変わってきます。60歳以上の矯正医や始めたばかりの矯正医は、昔の知識に頼っているのです。そして、若い矯正医はそのような古い知識で教育を受けたのです。しかし、時代は変化しています。これからは、すべてのことが40代以上の人間に譲るべきです。いつまでも権益にしがみついていてもこれからの若い人には役に立ちません。

 新しいことをするには、そのような人はある意味では害になるのです。そろそろ古い人には公の場を辞退してもらい、若い人に任せるのが大事なのです。歴史を踏まえつつ、新しいことなしていくのが大事なのです。

 しかし、人生の寿命が長くなってきたのでそれなりの役割は用意してあげることも大事です。

  

 インビザラインも新しい矯正の一分野として必要だと思います。この方法はマウスピースを介しての治療方法です。確かに良い方法だと思います。ある程度の患者さんには適応するでしょう。しかし、いかんせん、アメリカ的な抜歯を基本とした治療方法なので、術者がきちんとした方針の下で一口腔での設計を考えないといけません。また、かみ合わせを考えないと、いけないと思います。実際に設計をしてみて思ったのですが、まず最初に出てくる治療方法は、アメリカ的な手法(今現在の中でどのように対応するかです。)でいかにもきれいな感じがするし、さすがはコンピューターのなせる業かなと思います。実際に咬合と歯並びでは、全く異なっているのです。部分的な事であれば、問題は少ないとおもいますが、矯正治療の知識や経験のない人はコンピューターに騙されてしまうでしょう。

 

 そして、インビザラインの裏では、1回、30万から50万程度の研修費用が掛かります。それが1回では終わることはないのです。そして内容ですが、あまりにも体系化(今現在)されていません。そうなると、いくら数をこなしても意味がないと私は思います。それであれば、私は少ない数でしっかりとした治療を行うことのできる先生を推奨します。さらに、この方法がこれまでに短期間で知れ渡るということは、アメリカ的な発想で、広告宣伝しているからなのです。悪くはないのですが、50から1万症例以上を評価し(ブロンズ、シルバーなどの数で評価される方法です)、売上を上げる的な商売が大きく出ている気がします。この時代に必要なことでもありますが、日本で行われている矯正治療は基本的に医療なのです。そして、安かろう悪かろうで歴史は繰り返します。特に歯を抜歯した矯正治療の場合には、さまざまな不定愁訴を呈しているのが実態です。しかし、これからは医療の問題に関して様々な問題を起こしてくるのです。銀歯を導入したときみたいなことが起こる可能性があります。論文などの証拠はありませんが、我々が実際に経験したものです。

 それが不慣れな矯正医が4番を抜歯することで治療ができると考えています。

本来であれば、総合的に判断することで抜歯をするかしないかで決めることなのです。さらには、一口腔ということで判断するほうがいいのです。そして、顎の状態も考えて。この基本的なことが歯科医療の中では、行われていません。矯正医は口だけを見ている方が多いのです。それに伴い、咬合の勉強をしていないのです。(言い方は悪いのですが、ただお金のためだけにインビザラインをしているのです。)

 一部の人は咬合の勉強をしていますが、それだけです。本格的には勉強していませんし、数をこなすことに集中しています。これでは、安くないお金をかけるのはどうなのでしょう?

 

 横浜あなん歯科医院のインビザラインの方法は、基本的に3か月程度したら、常に再評価して必要であれば再度型取りをすることを前提に治療にあたっています。これは、すべてを機械的に判断できるものではないと考えているからです。確かにコンピューターは、進化していますが、物づくりに対してのみです。しかもそれでもまだまだ適合が甘いです。白い歯が今保険で使われていますが、銀歯のような従来の精度はまだ出てきていません。その補填を接着剤で補完しようとしています。確かにコスト的には安くなりますがそれでいいのでしょうか?

 そしていきなり、歯並びという大きなことを行うのです。そこまで行けるのかまだまだなのです。そして、業者は数をこなす人を讃えているのです。確かにもうけは必要です。しかし、あまりにもビックデータに頼って人をいじることには?

 アメリカでは、歯科医療費が高いのでこのような治療法が出て来たのです。

そしてコロナで皆大変になってきたのです。そこをついて、インビザラインが出てきています。また、この30年、日本人の給与も上がっていません。それが根本の原因なのです。 しかし、ここで自分の健康を守るのが次への世代につながります。

 いろいろなことが起こりますが、皆さん、頑張りましょう。!!!!