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インビザライン治療(アライナー治療について)とトラブル

  この治療法は、ここ10年で生まれてきた最新の治療法です。初めは海外(特にヨーロッパ)が主流でしたが、日本人の先生も最近ではこの治療法を取り入れてきました。確かにアライナーは透明なので、患者さんに対しても≪受け≫がいいです。そして、アメリカでは、この矯正治療を自分で行うということも事実、できるようになっています。

 

 またこの治療法は、最新と言われていますが、まだまだ研究をしなければいけない治療法だと星川あなん歯科医院では考えています。常に新しい技術といわれる方法は、人間を材料とした臨床試験ではないでしょうか?この方法はコンピューターにより細かく設定されます。今までの矯正の概念とは全く異なりますし、技術もそうです。この治療法はある意味では、矯正のことがすべて理解されていないとできない方法だと私は思いますし、手法は全く異なります。しかし、現在のように多大なる広告宣伝されていると、その他大勢の矯正をしたこともない先生方がこの治療法をしようとしています。企業的には良いのですが、その方法をしっかりと理解して対応できる歯科医師が果たしてどのくらいいるのかが疑問になります。新しいもの好きや若い先生などは飛びつきそうです。そして、経営的にもです。

 

  矯正の先生も新しい方法ということで、勉強はしているようですが、いかんせん、今までとは全く違った原理で歯が動いています。まだまだ出来る事と出来ない事が完全にわかっていません。それよりも歴史のある従来の方法でも構わないのではないでしょうか?人は新しいものが好きです。でも矯正という医療に関してもそれでいいのでしょうか? 星川あなん歯科医院ではそれらに反対です。

 

 私は、インビザライン(アライナー矯正)の研修には何回か参加しましたが、今までの矯正治療ではない事だけは理解しました。そして患者さんの要望も多くでてくるようになりました。そこで、そのような先生がたは、自費治療ということでその治療方法を通常の治療に加えようとしています。それの原因には背景があります。現在の保険治療では、歯科医師の将来がなくなったことによります。あまりにも保険点数が低く、実際にはやっていけない状態です。そして、歯科大学に入ってから卒業するまでに私学ですと今、約500万円から1億円かかるのです。さらに、卒後、臨床研修が待っています。そのような状況では、お金を稼ぐことに注力しないと、やっていけないのが実際です。

 

 そのように考えれば、よい医療というよりいい稼ぎを皆、目指すでしょう。それが資本主義の現実です。心ある治療をしようとすれば、お金に困りますし、稼ぎに入れば、商業主義になります。これらがいいのでしょうか? 今の医療はお金だけになっていることも事実です。そして、それは日本人の給与が上がらないのも現実です。バブル崩壊後から日本人の給与が全く上がっていません。そして、消費税、プラ税など相対的に様々なものが上がっていて、現状が追い付いていないのも事実なのです。税はとってもらわないといけないと思いますが、その前に日本人の給与を上げないといけません。諸外国はみな、上がっています。あの中国でさえです。そして、税金が来るのです。諸外国とは逆のことを日本ではしています。

 ですから、インビザラインのトラブルが出てくるのです。次はこのトラブルについて書こうと思います。