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第4根管の話

  この話は、根管治療による話です。根管治療後の痛みというのはいろいろあって、かみ合わせによるものや、処置しきれない根管によるものなど多々あります。ここでの話は、タイトルにあるような第4根管というのは上顎6番によく見られるような第4番目の根管の話です。

 この根管はすごく細く、何か変というときに私は真っ先に疑うことです。そうすると、4番目の根っこがあるのです。この根が存在する確率は、50%と言われていますが、若い先生は見つけられないようです。というより研修などに参加することが少なくなったために、知らないのが事実でしょう。

 もちろん学校では教えてくれません。研修会で初めて教えてもらえるのです。

 

 また、たまたま、この神経が生きていたとしても、症状が出ないことが今までは一般的でしたが、最近では症状が出てきているようです。

 患者さんからの話を聞いていると、どうもこのような根っこが炎症を起こしているようなのです。そして、うちに来て、何か変だという感想を言います。そして当該する歯を実際に開けてみると、神経が生きて残っていることがほとんどです。そしてそのような方の治療をすることで、ほぼ治すことができます。

 

 よくCTを撮影するとか、顕微鏡を使って治療をするとか聞きますが、私に言わせればナンセンスです。私はこの狭い歯の中での神経の存在する場所を知っていますし、対応も知っています。ですから、余程のことがなければ根管治療にCTは入りません。逆に言えば、放射線の被ばくを受けるだけだと私は思います。

 それよりもしっかりとした教育を受ければ解決です。

 

 第4根管は見つけにくい神経ですが、きちんとしたことを学ぶことで的確に治療ができます。そして歯医者といえどドクターなのです。常に勉強をする必要があります。しかし、今の世の中はこういう勉強には一切の援助がないのです。勉強をするには、1泊2日の時間と1回あたり12万円します。また、私の診療時間、家族との時間などが掛かります。これらを合わせれば50万とも100万ともいわれます。これらが0になるのです。今の先生がこれらをするでしょうか?

 

 私の時代は、歯科大学は教育機関ではなく国家試験のための学校でした。ですから、きちんとした知識や技術を学ぶためには努力をしなければという時代でした。そして、将来のためと頑張ってきました。その報いが今の結果です。これではやりたいと思う若者はいません。ですから歯科という商売には次がないのです。

人が成長するためには、時間と費用が掛かるのです。それらを見捨てているのが国です。頼るだけが人生ではありませんが、しかし援助がないとよい医者、歯医者はできません。

何も知らない患者さんは、歯医者という資格を持つと何でもできると思われがちです。しかしそのようなことは様々なことを学んだ特殊な先生にしかできません。すべてを100%はできませんが70%の昔ながらの医療はできます。

 

皆さんはどちらがいいですか

かみ合わせも同じです。まだまだ解明されていないところはありますが、これからも研鑽したいと思っています。