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咬合検査

 星川あなん歯科医院では、咬み合わせの検査を常に行うようにしています。お口を構成する要素の中で、顎関節は左右にまたがる身体の中でも特異的な両側性関節ですので、様々な要因により簡単にずれを起こすことが多々あります。

 

 例えば、歯が無くなってそのまま放置し時間がたった時や歯が抜けたときもそうです。また、銀歯が外れた時に長い時間放置しておいた時などに顎関節のずれが起こります。このようなことで顎関節がずれると、身体の中でも唯一特殊な左右にまたがる両側性関節ですので、両方共にずれてきます。そして、顎関節の周辺の筋肉や神経、血管などを圧迫し(特に耳の奥にある神経や血管です)、不定愁訴と言う症状が出てきます。

 

 これらは明確なエビデスはないのですが、実際には治療をしっかりと行うことで治る方がほとんどです。

ですから、星川あなん歯科医院では、咬み合わせの検査を最も大事にしています。

症状が取れることも大事ですが、今現在の患者さんの状態を把握しておかないといけないと私は考えています。その上での診査診断です。

 

 星川あなん歯科医院では、ここをしっかりと行うことが大事だと考えています。後は矯正(歯並びを整えるか)をするかかぶせ物で治すかでをすることで、とても有意義なことです。(虫歯の多い方は当然虫歯の治療も必要になります)

 

 諸外国では、すでにこのような検査は行われています。特にヨーロッパでは。

私の今使っているシステムは、パナデント咬合器のAPIシステムとキャディアックスという装置、サジタリウスとう装置です(どちらも非常に高価です)。 見えない咬み合わせという状態をできる限り見える状態にしたものです。そのために、患者さんに説明をするのもある程度、楽になりました。

 

 これらの装置の細かい説明は後にして、咬合という検査は重要なのです。保険診療の範疇では見過ごされていますが、この基本的な技術が無いために路頭に迷う患者が増えます。この様な技術は、大学でも教えてくれません。 卒業後、疑問を持った人が自分で学ぶものです。保険診療では、コストパフォーマンスがあまりにも悪く、導入できないのも事実です。 できるだけ、見えないものを見えるようにして、咬合というものを科学的に分析することで、見えてきます。 そのような努力をしています。

 

総論ですので、裏話をします。検査で得た資料を実際に作り、現像し、模型を作ります。これだけで、2日かかります。そして、個々の分析を総合的にまとめてこの患者さんに何が起こっているかを考えます。他に必要なことがあれば、メールをして確認します。そして、検討する時間を1週間ほど取ります。私の場合は、オフィスとは環境を変えて、飲み屋で行います。飲む前の30分くらいで一区切りとしています。それを何度も繰り返します。ですから、酒場は私にとって第2のオフィスなのです。気づいたことを書き、さらに、必要なことをオフィスに帰って処理します。