· 

矯正治療のクリニックの選択の仕方

『矯正治療のクリニックはどのように選べばいいですか?』と言う事をよく質問されます。

 

この質問に答えるには、患者さんの要望や治療に対する期待などを聞かないと何とも言えないのですが、今回は一般的な範囲でお答えします。

 

 

私が矯正を学ぶ10年以上前なら以下のように答えていました。

 

1 矯正専門クリニックであること

 

2 学会の専門医、もしくは認定医である

 

3 万が一に対応できるように、矯正歯科医が常駐しいつでも気軽に相談できる

 

上記のような事がポイントと私も思っていましたが、時代は変わりました。

 

 

 

私が矯正治療を学んでから、星川あなん歯科医院では、今現在では以下のように変わってきています。

 

1については、専門クリニックでは、必ずと言っていいほどに歯を抜くという選択をさせられます。抜歯をする必要が本当にある患者さんなのでしょうか?星川あなん歯科医院では、いつも疑問に思います(私が治療をしてきた方を見ていても抜歯が本当に必要かどうか疑問です。全否定はしませんが)。

 

2の学会の専門医、認定医に関してですが、矯正の学会は、日本には大小3つから5つくらいの学会が存在していますが、これらは国の認定資格ではなく、私的な組織が認めた認定医と言う事だけなのです。と言う事は、普通のトレーニングマスターと同じなのです。確かにその中で有能な人はいるでしょう。そして、学会の認定医というだけで患者さんに寄り添った治療を提供しているかというと、一概には言えない現状があります。

 

3についてはやはり重要な要素です。とある歯科医院では、矯正医のアルバイトを雇って週に1回とか2回とかの歯科医院もあると聞きます。それはよくありません。

 

いつ何時状態が変わるか解らないからです。矯正の患者さんは、ワイヤーが伸びてきて痛みを生じたり、ブレース(矯正装置)が取れたりと起こることが多々あるのです。

 

 

歯科医師は、基本的にどのような治療でもできるのが歯科医師です(歯科治療の範囲の中で)。矯正治療でも一般治療でも外科処置でもできます。そして患者さんのお口を一つの単位として、包括的に治療ができるのも一般医なのです。そして、矯正の祖と言われるアングル先生も基本的に昔は一般医だったのです。

 

 

ところで、皆さんは審美と言われていますが、どこまでの審美を求めているのでしょう?歯並びが普通になればいいとか見栄えが以前より良いという方が多くいます。しかし、それ以上を求める方もいます。そのような方は、有能な専門医にお任せするのがいいと思います。

 

多くの患者さんは歯を抜いてまで矯正治療をしたいとは考えていません。歯を少し削るような方法でも歯並びは格段に良くなります。歯を抜くことから考えたらはるかにいい選択です。そして、矯正界にもまだ抜くか抜かないかの論争があり、結論も出ていません。そのようなエビデンスの薄い治療行為はいかがなものでしょうか。今の矯正治療は、アメリカ的な考え方で、抜くことをメインに教科書ができています。これは本当に良いのでしょうか?

 

 

星川あなん歯科医院もすべてのケースに関して、まったく抜かなくていいとは考えていませんが、抜く必要があれば抜くことも否定はしてません。そして、星川あなん歯科医院では、まず抜歯をせずに並べます。そのうえで無理があれば、患者さんと相談します。患者さんと相談をして様々なことを決めていきます。

 

 

特に日本人は、前歯が出ている人種です。それを過度に引っ込めることも可能ですが、白人と同じような感じにはならないのです。白人とは逆に貧相な顔立ちになることがしばしばあります。あとは個人の判断です。それに応じて治療を振ればいいのです。今日の矯正界では、教育の過程でドクターごとの自分たちの美を持っています。しかし、そのドクターの美は日本人のそれとはかけ離れているのも現実です。星川あなん歯科医院では、そう思います。

 

 

私星川あなん歯科医院は一般臨床医です。そして歯を守ることに多くの時間を費やしています。それが矯正専門医の治療になると、歯を簡単に抜くと言い出します。

 

今、時代は、100年の時代です。その時に歯がなければ人生のQOLが貧しいものになっていくのです。そして、気力が生まれません。日本人は咬めると言う事に対して、病気になるまで皆意識をしませんですが、欧米では健康、特にお口の治療には積極的なのです。食事が何不自由なくできることは人間にとって一番大事なことなのです。日本では、教育の中にこれらが入っていません。いいのでしょうか?

 

 

これらを考え合わせると星川あなん歯科医院の考えるクリニック選びに必要なのは、以下に示すようなことが大事だと考えます。

 

 

 

1 基本的に抜かない先生(抜くこともあります)

 

2 よく話を聞いてくれる先生(患者さんお現状を理解してくる人)

 

3 専門医や認定医を自慢しない先生

 

4 一般の先生でも矯正治療に注力している先生も多いのです。そのような方を探すのがよいと思います。