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顎顔面骨格より見た分類と成り立ち その2

咬み合わせの分類には、大きく分けて4つあります。様々な検査を行い、正確な判断をすることができます。専門的な話になりますので、そういった分類をしているんだということを理解していただければいいと思います。

 

1 High AngleⅢ

 

2 Low AngleⅢ

 

3 High AngleⅡ

 

4 Low AngleⅡ

 

今回は、4つの分類の後半の3と4を解説したいと思います。

High AngleⅡ(いわゆる「出っ歯」の方です。)

上顎骨は垂直的な成長よりもむしろ全上方に回転するように成長するので、噛み合わせの面が前上がりになり、後方大臼歯の骨の成長が不足してポステリアーディスクレパンシー(歯の生えるスペースがないこと)となります。

 

そして、High AnglⅢとは異なり上顎骨の歯列全体を近心傾斜させるように力が働くので、上顎歯列はV字となってきます。また、上顎大臼歯部の高さは増加せず、噛み合わせの面は急傾斜となります。下顎骨は大臼歯部にゆとりがないため萌出スペースがなく、近心傾斜(前にずれるようになること)して前歯部に叢生を招き咬み合わせの高さは不足します。その為に下顎骨は上顎前方に適応できず後方回転を起こし、骨格性Ⅱが形成されます。顎機能的には、大臼歯の急な咬み合わせの面ができるために咬合干渉を招き、噛み合わせの高さの不足による咬合支持の喪失を招きます。

 

4 Low AngleⅡ

上顎骨の成長が水平的になり、垂直的成長量が不足するために、上顎大臼歯部の萌出力が低下して、噛み合わせの高さも不足します。また、上顎大臼歯部の咬み合わせも急傾斜し、上顎歯列弓も空隙歯列弓を呈することが多いです。下顎頭の垂直的成長量も大きいために下顎の形はフラットにみえます。そして、噛み合わせんも高さが増加しないので、下顎の成長量との関係において不調和をきたす。科学は前方位に適応できず後方域で前方回転するために下顎の咬む面が逆になります。

 

顎機能的には、咬合支持の喪失を招き、下顎が過剰に前方回転して、オーバーバイトの深い下顎が後退した骨格性Ⅱの不正咬合が形成されます。

しっかりとした検査のもと、治療することが重要

前回と今回とで不正咬合を大きく4つに分類してみました。内容としては難しく感じると思いますが、今回ご紹介したことを理解する必要はなく、しっかりと検査を行い診断しているということを理解していただければ嬉しく思います。