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歯ブラシに関して

星川あなん歯科医院では、痛みなどの救急処置が必要ない方には、お話をして基本的に歯ブラシ指導から開始します。何故かというと、キチンとした歯磨きが出来ていない患者さんが多いからです。

 

歯ブラシができていないという事は、歯茎周辺に炎症が残っている事を示しています。この状況で歯石を取れば痛くなります。でも、私は歯ブラシをしてるから、問題はないという方はたくさんいます。しかし、本当に歯ブラシが出来ている方は、10%もいません。本人がやったという事だけで、客観的には証明されていません。それでは、歯ブラシができているという事にはならないのです。そして、そのような事を説明しても聞いてくれませんし、歯石をとったら痛いの連発です。そのような経験を踏まえて、星川あなん歯科医院では、痛みなどの緊急性の状況がない限り、歯ブラシを優先して指導をしています。歯ブラシをする事で、歯茎が引き締まってきて、今まで目に見えなかった歯石が見えてきます。また、歯周病の検査をする時も正確な検査が出来るのです。そして、その方の協力度も診断できます。我々歯科医師の診断は、患者さんと会ったときから始まっているのです。

 

■星川あなん歯科医院の歯ブラシ指導方法

 

1回目まず、患者さんに使っている歯ブラシや道具を持ってきてもらいます。どの位使っているかなど簡単な質問の後、実際にお口の赤染めをして、確認してもらいます。ほとんどの方が磨けていません。歯ブラシの使い方などを指導します。

 

その時に、歯ブラシ(小さめの歯ブラシをお勧めしています。日本人の口は欧米人に比べかなり小さいのです。)の使い方、どのような鏡(小さい口元が見える鏡を使います。間違っても洗面台の鏡は使わないように。大きな鏡は、他のところに目がいきます。集中力が続きません)を使うか、タオルなどをもってリビングに行ってもらいます。(この方法は、時間が掛かるからです)

 

一つ一つ、方法を指導をします。前歯、小臼歯、大臼歯のそれぞれのやり方を指導します。1回目は表面だけを指導します。何故か⇒人は、一度に3つ以上の事は覚えられないからです。(開業当初は1回で全てを行っていましたが、無駄だと悟りました。)

 

2回目次は、前回と同じように赤染めをします。そして、表面のできの確認と、ベロ側の指導をしていきます。実際に歯ブラシをしていただきます。要は、表面でおこなっている事の反対の事をするだけです。しかし、意外と難しいのです。

 

3回目この過程では、最終確認と補助的な道具の使い方などを指導します。大まかな事はこれだけですが、出来ないようであれば、もう少し回数を増やします。

 

このような形で、指導を行うと、しっかりと頑張っていただける方は、次の回には歯茎がしまってきます。そして、お口の臭いがしていた方も、かなりの確立で無くなってきます。ここでひとつの診断が成り立ちます。この方は、治療に協力的な方だと。くだらないと思われますが、このくだらない事の連続が大事なのです。

歯科治療は、長く時間が掛かるものです。お互いに話しやすい環境を整えていかないと何も出来ないのです。

 

治療とは、ただ治して終わりではありません。しっかりとお口の環境を整えていかないと、また悪くなるのです。欧米ではしっかりとした治療はもちろんですが、その前に、幼稚園の頃から予防が徹底しています。

 

星川あなん歯科医院では、普通の患者さんにも矯正治療をおこなっています。その時にも歯ブラシが大事になります。そして、通常の治療に矯正を組み込む事により、今まで抜歯しなければならなかった歯も残せる事が多くなったのです。これは、人生100年の時代には大事な事です。できる限り自分の歯で食事をして欲しいからこそなのです。失ってから気付いても遅いのです。