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抜歯の必要性について 

矯正治療を考えるときに切っても切れない疑問として、抜歯、非抜歯の問題があります。

 

今日は抜歯、非抜歯についてもう一度考えていこうと思います。

 

 

横浜あなん歯科医院では、基本的に歯を抜く事は行いません。

確かに分析をしていくと、抜いたほうがいいという結果がでることが多々あるのですが、実際に抜歯をしないで治療をしてみると、大きな審美障害や、他の問題もあまり起こりません。また、抜歯をすると、抜いた歯のスペースが大きく、片側だけでも1mmから2mm程度余ることが多々あります。上下左右を考えるとそれなりのスペースが生まれてしまいます。

 

これでは、抜く事は何の意味があるのでしょうか?といつも私は思っています。ですが、抜かない事だけでは、歯はいい位置に並びません。

 

そのために、横浜あなん歯科医院では、ディスキングを行います。

 

ディスキングとは、歯のエナメル質の部分を少しだけ削ることを言います。片側0.5㎜ずつ削ると左右で1㎜のスペースが生まれます。必要なスペースを確保する分の歯をディスキングすることで、抜歯をしないでの治療が可能となります。もちろん歯の健康に問題ない範囲でのディスキングなので、安心していただける治療です。

 

また、治療当初からディスキングを行うということはしません。まず最初は、歯をある程度並べてから、必要と思われる寸法を計算し、少しずつ、削る事を行います。この方法は、麻酔もしないですむ方法ですので、快適です。そして、上の歯、5から5(右上の小臼歯から左上の小臼歯までの10本)を0.5mずつ削ると、10mmもの量のスペースが出来るのです。

 

このことを踏まえて、横浜あなん歯科医院では、矯正治療を行います。

 

早い段階で、ここまで治療を行い、患者さんと相談して、見栄えや咬む機能などに問題がないかなどを確認して、問題があれば、その後の検討をしています。

 

そして、本当に必要だと判断されれば、ここで抜歯を検討します。

 

これが、横浜あなん歯科医院の矯正治療のやり方です。

 

 

横浜あなん歯科医院では、患者さんの歯を、1本も抜きたくないという思いからです。今は人生80年、90年の時代なのです。その時に簡単に歯を抜く事を選択するのはいかがなものでしょう?

 

変な話ですが、歯があれば矯正治療を何度も受けることが出来ます。歯を抜いてしまうと、顎関節症になりやすいというリスクもあります。そのようなリスクを避けるのであれば、基本的に歯を抜かない事が大事だと思います。

 

私のところにも、昔、歯を抜いて矯正治療をしたが、前歯のかぶせ物が入らない状態になってしまい、再度矯正治療をやり直している患者さんもいらっしゃいます。そして、咬み合わせを守るためのアンテリアガイダンス(前歯でかみ合わせの動きをコントロールする事です)を構築する事が、矯正治療の大きな目的のひとつなのです。

 

 

これが出来ている事は、80歳になっても歯が残っている方が多いという事実が歯科疾患実体調査(国が行っています)の調査結果に出ています。

 

歯と言うのは、24時間使うものです。お口も一緒です。とても強い組織なのですが、一度崩壊すると、軒並み崩壊していきます。これを予防するために、歯科医学があります。

 

心臓のペースメーカでさえ、5年で交換するのです。まして歯は、24時間使っているのです。そのメンテナンスをしないと、壊れていくのは、事実です。

 

そのメンテナンスというのが、矯正治療だったり、虫歯や歯周病の治療であったり、咬み合わせ治療であるのです。

 

皆さん、まず最初に費用ばかり気にしますが、長い目で考えれば、歯の治療ほど安い治療はないのです。食事をする、おしゃべりをする、口紅を塗る、友人と遊びに行くなど、どれも歯がしっかりとしていないと出来ない事なのです。

 

さらには、咬む事が出来る事で、アルツハイマーの予防になります。そして、人生を楽しめるのです。

 

横浜あなん歯科医院では、そのような方たちのための医療を行っています。